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けんしうい日記

地方で研修医してるひとの雑記帳

『脳を最適化すれば能力は2倍になる』

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精神科医樺沢先生の新刊

神経伝達物質に興味があるので拝読させていただきました。

ドーパミン

・アドレナリン

・エンドルフィン

アセチルコリン

ノルアドレナリン

セロトニン

メラトニン

の7つの脳内物質について書かれていました。

医学書でこれらの物質について読むと学術的な話が先行しやはりわかりにくい部分があるのですが、この本ではこれらの物質を一言で表し(たとえばノルアドレナリンは「闘争と逃走のホルモン」である等、ほかにもエヴァンゲリオンのキャラクターに当てはめて説明されていたのが面白いと思いました)また日常生活にどのようなかかわりがあるかをメインに説明されており非常にわかりやすく実用的であって、なおかつ詳しい説明もされており、読み込めばしっかり勉強になると感じました。

 

また各物質の分泌方法についても触れられており、こちらも具体的な実践方法も示してありました。

アドレナリンであれば

・明確な目標を設定する

・目標を達成した自分をイメージする

・目標を繰り返し確認する

などなど、今すぐにでも実行できるよう身近な例を挙げて解説されていました。

医療関係者でなくてもとっつきやすい内容ではないかなと感じました。

所属医師会の講演会にて

有名な林寛之先生がいらっしゃりお話を伺うことができたので以下感想↓

 

とにかくめちゃくちゃ面白かったです・・・

あんなスライドにネタをぶち込んでくる医者を初めて見ました

君の名は。」や最近ネットで話題になっていた動画等も取り入れている上、しっかり勉強にもなる不思議。

 

お忙しい中どんだけスライドづくり、発表準備に時間を費やしているのかと思うと怖くなります・・・

 

今回は医療安全&研修医に向けての言葉といった感じでした

とにかく医療訴訟をできるだけ避けるために大切なのは「見逃してはいけない疾患をしっかり鑑別に上げる」「患者との関係を良好にする」といった話でした。

いつもと変わらない様子で救急外来にきたがその中でとんでもない重症例というのは0.2~0.7%くらいいらっしゃるそうです。軽症に見えてもしっかり鑑別疾患を上げること、軽症症例でもたくさん経験して違和感を感じ取ることが重要だとおっしゃっていました。

特に見逃しが一番多い疾患は急性心筋梗塞で女性の場合43%は胸痛の訴えがないそうです。そのため高齢者の嘔気・嘔吐は心電図をとるべきだと、あとは高齢者の転倒外傷の1/3は背景に失神があり転倒の場合も心原性疾患はきちんと除外する必要がありそうです。

患者との関係を良好にするためには、とにかく怒らず笑顔でいること、医学的知識を説明してもわからないことが多いので、患者が何をしてもらいたいか、求めているかを察して行うことが大切だとおっしゃっていました。

 

研修医に向けては初期臨床研修制度という素晴らしい制度ができたんだから頑張れよ!

といったようなことと英語の重要性を強調してました。

トロントでの留学がすごく勉強になったことや、医師としてのレベルアップのためには英語文献を読んだり、論文を書くことが重要で、とりあえず一日一文献読めと笑

 

他にも興味深い話をいろいろしてくださったのですがこのへんで

その場で宣伝していた2月4,5日に行われるERupdateも勢いで申し込んでしまったのでまた感想でもこちらに書きます

大人の精神障害者の支援に関して

今日のメンタルヘルスの問題の一つとして、大学生で修学、進路上の問題、精神疾患により困難を抱えてしまう人の多さが挙げられるそうです。

そういう方は学業や大学生活で問題を起こして紹介受診となったり、就職活動での困難を契機に精神科を訪れるケースが多く、その際によくよく聞いてみると小さいころに健診で引っかかったにも関わらず経過観察となり見過ごされてきたという例も少なくないようです。

精神疾患発達障害を抱えた人の就職上の支援というものは歴史が浅く

2006年4月に精神障害者も障害者雇用の対象とする

2011年4月に発達障害精神障害者保健福祉手帳自立支援医療の対象とする

2013年4月に障害者雇用率が一般企業で1.8%から2.0%

2016年4月に障害者差別解消法が施行され、合理的配慮が求められるようになった

と制度が整ってきたのはごく最近のことで、まだまだ企業や医師の多くには精神障害発達障害に関しての理解が進んでおらず本格的な支援はまだまだ先のことになりそうとのことでした。

実際、困難を抱えた大学生が診断を受け、障害を受容し、障害者雇用を選んで就職するには一年以上のギャップが生まれることや、正社員としての就職はとても難しい等問題は山積しています。

こういった患者さんは病院にて治療を行えば医師としての仕事はすべて解決するのかと言われれば決してそうではない気がします。適切な制度利用や社会資源につなげることで問題を解決した例も出されていました。

この記事を書いている本日も病院で研修を行っていましたが、退院予定の認知症の患者さんに関して上級医から

「この人自宅には帰れなさそうだけどどうする?」

「老人ホームはどこがおすすめできる?」

と聞かれ言葉に詰まってしまいました。

「そこらへん知らない医者は多いよね」

と言われました。認知症患者は全科で扱われる患者さんだと思いますが、これからそういう社会資源を活用するという視点も医者には必要となってくるのではないかと考えさせられました。

メンタルヘルス関連合同三学会合同大会

2016年12月9~11日にかけて東京、学術総合センターにて行われたメンタルヘルス関連合同三学会合同大会に出席してきました。

この合同大会は

日本大学メンタルヘルス学会

・日本精神衛生学会

・日本学校メンタルヘルス学会

が共に集まり開催するという今年初めて行う企画だったそうです。

そのため、医療関係者だけでなく、教育関係者、社会学者、福祉関係者等いろいろな方が参加されていました。

そのため医療者観点だけでなく他の方から見た精神疾患メンタルヘルスの問題点に関して学べたことがとてもよかったです。

感想などは次の記事から書いていきます。

リンパ節腫脹の症例発表について

先日、市内の研修医での合同症例発表会に参加してきました

そこで他病院の先生が左鼠径部リンパ節腫脹を主訴に来院された20代男性の症例を提示されていましたが、主訴がリンパ節腫脹であるが病歴聴取で「左鼠径部に数個小豆大のリンパ節を数個蝕知」と述べるにとどまっており少し違和感を覚えたので、主訴がリンパ節腫脹の患者さんに関してどのような身体所見が必要かを調べてみました

体表からリンパ節が蝕知できる場合は

大きさ

形状

硬さ

可動性

圧痛の有無

について述べるとよいと思いました

また他部位のリンパ節腫脹にも触れるとよいです

体表から蝕知可能なリンパ節として

頭頸部

鎖骨上窩

腋窩

鼠径部

大腿部

があるようです

悪性腫瘍は考えにくい年齢だとは思いますが、血液系悪性腫瘍は否定しきれないかと感じました

この患者さんはクラミジア尿道炎だったとのことで、典型例であれば「足の付け根のリンパ節が痛む」という所見がとれるようで少なくとも圧痛に関して言及する必要があったかと思います